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本田孔士様より

本田孔士 (Yoshihito HONDA) 大阪赤十字病院 院長

難病の克服

国の言う「難病」とは、原因の分からない、治療法の確立していない、希な疾患のことである。原因の分からない事と治療法の不確立は、多くの場合、表裏の関係にあるが、原因が分からなくても経験的に治療が可能な疾患もあり、原因がはっきりしているのに今の医療技術ではどうにもならない疾患もある。それでは、何故「希少性」が問題になるのか。それは、希少なるが故に、もし治療法を見つけても需要の規模から採算が会わないと考えれば、そのようなプロジェクトに、不採算承知で取り組む企業がないからである。株式会社は利潤を生むことを目的として設立されている。資本主義社会とは、基本的にそのような構造になっている。だから、希少疾患研究にこそ国からの強力な支援が望まれるのである。しかし、現実にそれが十分でないから、善意の人々からの研究支援が必要になって来てくる。小さな支援も積もり積もれば大きな力となり、企業の振り向いてくれない難病の研究を推し進める事になるのである。見返りを期待しない善意の支援は尊い。それは人間が人間たる所以であり、その善意こそ、その人の品格を如実に現している。